2004年 08月 26日
「スーパーピュア2005」第1回作戦会議に潜入した |
本日、BankART1929にて「スーパーピュア2005」第1回作戦会議が行われました。初回の今回は、参加者が同企画に関わる上での想いや自らの背景・活動について紹介し合い、意見交換がなされました。一般の社会人、市の職員、NPO法人、画廊オーナーの代表など、さまざまな立場からの参加があり、参加者は全部で9人。■福祉なのか、現代美術なのか?
会議のなかで印象的だったのは、心身に障害のある芸術家たちの展覧会である「スーパーピュア」は、福祉の扱いではなく、現代美術の一つの側面として捉えている、ということ。福祉的な活動と捉えると、どうしても「障害者の作品」ということで一括りとなってしまい、作品の「質」が問われなくなる危険性がある。だからあくまでも、アート作品として優れているかどうかを問う必要があるのだといいます。「スーパーピュア2001」を立ち上げた仲原正治さん(横浜市文化芸術都市創造事業本部・創造都市推進課)をはじめ、2001年から同会に関わるスタッフはみな、そうした考えをベースに展覧会に取り組んできました。
参加者のなかにはもちろん、これまで自分は福祉的な関わり方をしてきた、という方もいました。ヨコハマポートサイドギャラリーの役員を務め、障害者のアート活動に詳しい東京画廊の山本豊津さんは、一つの基準として、「作品が商品として流通する可能性があるかどうかという視点をもつべきだ」との意見を述べました。確かに、ある作品がアートとして優れているかどうかについては、さまざまな観点から捉えられる必要があるでしょう。このことについては、同会のなかでこれからも議論を繰り返していくことになるはずです。
■「街づくり」、そしてワークショップの方向性
このほかにも、会場の山下埠頭3、4号倉庫に行くまでに必ず通る道である山下公園で作品を展示することはできないかとか、東急東横線の駅の壁面を使って大きく展示するのはどうかなど、さまざまな意見があがりました。そうしたなかから、横浜市民全体がトリエンナーレについて考え、街とともにつくっていくものにするという「街づくり」の方向性が見出され、前回企画されながら実現に至らなかったワークショップの開催案なども浮上してきました。
同会は今回話し合ったことをもとに、9月12日に行われる「横浜トリエンナーレ2005」第3回作戦会議のプレゼンの用意を進める予定。なお、話し合いのもと、同会事務局のリーダーは仲原さんに決定しました。追ってあと何人か、中心となるリーダーを選ぶことになるようです。
感想:みな、自らの立場を超えた個人としての動機で関わろうという意欲があり、アイデアもたくさん出ていて密度の濃い会議だと感じました。質の高い作品の展示やワークショップを軸にした、素晴らしい企画の実現を楽しみにしています。(タカラ)
by hamatori
| 2004-08-26 21:27
| スーパーピュア2005

