2004年 12月 17日
どうなる? どうする! 「横浜トリエンナーレ2005」−その④− |
その④では、会場に来て頂いた方を3つのグループ(以下、A、B、Cとします。)に分け、ディスカッションした内容を掲載します。それぞれのグループのメンバーは「偶然座った席」で振り分けられ、横浜という土地で開催されるトリエンナーレに一市民としてどのように関わるべきか、何を求めるか、また、横浜トリエンナーレ2005が市民にとって前向きなものとなるためにどうすべきか、それぞれポイントを絞って話し合い、その内容を報告しました。
なお、ディスカッションの前に、前回のトリエンナーレに関わっていた方から興味深い当時の事情についての話を伺うこともできました。こちらに関しての詳細は後ほどお伝えします。
■Aグループの報告
○参加者
アートナビゲーター、編集者、アーティスト、横浜トリエンナーレ2001ボランティア参加者、イベント企画、学生、芸術文化振興財団職員、横浜市、学生など
●どうやって間口を広げるか
・企画のハードルが高すぎる。学生や若い人たちから出てきた企画書だけを見てふるい落とすのではなく、そこに色を付けたり、組み合わせたりして実現に導いてあげたい。コーディネーターが必要である。
・アンディ・ウォーホルもNYのアンダーグラウンドから出てきたアーティスト。横浜という土壌からも新しいアーティストが出現すれば。
・学生には、ボランティア参加が単位やインターシップのカリキュラムとして認められるとよい。
・イベントがはじまるまで、また開催期間中も、人が集まって話し合える場所が欲しい。会場近くに点在しているのが理想。外国人アーティストの行き場としても。
・「サロン・ド・トリエンナーレ」(アーティストやアートに興味ある人などが気軽に集えるような場所)といったようなところやそこで繰り広げられることの過程が見どころにもなるし、トリエンナーレ後の継続性にも生きる。
・学生に限らず、ボランティアが地域マネーとして蓄積され、例えばバンカートなどの施設で利用できるとよい。
・シフトを統括し、少しでもボランティア参加できるようにし、多くの人にトリエンナーレに関わってもらいたい。
●その他
・2001年のトリエンナーレでは、誰がトップで権限を持っているのかがわかりづらく、ボランティアスタッフも動きづらかった。せっかくの市民の力が報われない仕組みではダメだ。
・今回のミーティングは、市民ボランティアチームはまことりの主催。本来ならば、こういったことは本展の広報より伝えられなければならないこと。本展広報が機能しないようならば、はまことりが主導を握るような動きをしたらよいのでは?
・情報の統一、共有を。透明性を。情報流通の仕組みを作り上げてほしい。
・2001年の反省が生かせるように、前回ボランティアスタッフより集めたアンケートを公開してほしい。
・今回のミーティングで出された声を、市民の声として財団に届けよう。
■Bグループの報告
○参加者
舞台企画、現代アート好きサラリーマン、横浜トリエンナーレ2001ボランティア参加者、子供デザイン教室、金沢文庫芸術祭運営委員
●街づくりにどう落とし込むか
・横浜市金沢区にある産業団地やゴミ処理場を、工房、レジデンス、作品発表に活用し、プレイイベントとして一般の人にPRする。
・トリエンナーレ後もカフェや交流の場として活用できる場を残す。
・トリエンナーレで創られた作品を横浜に残す。
・前回のトリエンナーレは横浜を知る仕掛けがまったくなく、がっかりした。いろんな作品を建物の中ではなく、野外に設置することでアートとの出会いを仕掛け、会場への導線を作ろう。
・横浜の生活、食文化とイベントをどう絡めていくかが重要なのでは。
● 多様な人をどう巻き込むか
・イベントPRを限られた人にしかできない媒体(HP、新聞、広告など)だけでなく、現代美術をまったく知らない人に対して、一年かけて、現代アート、トリエンナーレのプロモーションが必要である。
案:フリーペーパー(長期間蓄積し資料となるようなもの)、電車(東横線→銀座線→日比谷線とエリア拡大、沿線のカフェ
・作品は街に出ていったほうが面白い。(広州ビエンナーレでは地下鉄の駅、車両、トイレがアート展示スペースになっていた)
・普通のサラリーマンが土日も参加できるものが欲しい。
・高齢者、子ども、障害を持つ人が作品に楽しく触れ、参加、体験できる仕組を加える。これこそ現代アートの面白いところなのでは。
・現代アートを分からないという人を巻き込んで、発見してもらう仕組をつくる。
● 次の会に繋がるように、自分達がやったことに対する評価をシステムとして評価するには
・認知度を深めるため、本展と市民活動の位置づけをはっきりする。
・市民が自分達でやったことにフィードバックする。
●トリエンナーレによって横浜の土地を知り、横浜が出会いの場所となるためには
・イベントの期待感、驚きを仕掛ける
案)マリンタワーに帽子をかぶせる。(4月、5月頃展示予定)会場建設地の入り口にコンテナでのゲートを作る。
・ プロセスをどうオープンにするかを考える。
案)外から見えるミーティングルーム、カフェ、バー、託児所の場を設ける(4月、5月頃OPEN予定)
・仕掛けの場を設ける。
・ トリエンナーレ後、地域のために地域の場となる施設を残せるようにする。
■Cグループの報告
○参加者
音楽家、フリージャーナリスト、アートマネージメント、アトリエ経営、アーティスト、アートライター、イベント企画、学生、芸術文化振興財団職員
●本展の作品において求めることとは何か
・アート作品自体の質。
・作家、作品を選ぶキュレーターと一緒に話し合いたい。
・アーティスト選びの提案を聞き入れてほしい。
●トリエンナーレに市民が主体的に参加するには
・なにより情報の透明化と、双方向可能な情報発信が必要である。また前回のトリエンナーレの報告をネットで簡単に見れるようにしてほしい。
・市民がリードするアイデアを提案し、実行する。提案のやり方、内容などについてしっかり考える。
案)市民で話し合った結果に出た要望など、財団など本展の関係者に確実に伝えてもらい、それに対してのなんらかの答えを確実にもらうようなシステム作り。
・本展に市民の意見が出せるように、今こそ仕組みを作るべき。
・本展の予算の一部を市民の活動に回す。
●横浜市全体で盛り上がるには
・ギャラリーや美術館、ミニシアターなど普段からアート活動をしている団体や人などを中区から枝葉に広がるよう横浜市全体を巻き込む。(積極的に参加してもらうよう、予算もそちらにつける)
・しいては経済の活性化へつながるのでは。
今回にて「どうなる? どうする! 横浜トリエンナーレ2005」の報告を終わらせて頂きます。しかし、これからも「はまことり」の活動報告、呼びかけなど、随時ブログに掲載しますので、是非、こまめにアクセス願います! (ドイ)
なお、ディスカッションの前に、前回のトリエンナーレに関わっていた方から興味深い当時の事情についての話を伺うこともできました。こちらに関しての詳細は後ほどお伝えします。
■Aグループの報告
○参加者
アートナビゲーター、編集者、アーティスト、横浜トリエンナーレ2001ボランティア参加者、イベント企画、学生、芸術文化振興財団職員、横浜市、学生など
●どうやって間口を広げるか
・企画のハードルが高すぎる。学生や若い人たちから出てきた企画書だけを見てふるい落とすのではなく、そこに色を付けたり、組み合わせたりして実現に導いてあげたい。コーディネーターが必要である。
・アンディ・ウォーホルもNYのアンダーグラウンドから出てきたアーティスト。横浜という土壌からも新しいアーティストが出現すれば。
・学生には、ボランティア参加が単位やインターシップのカリキュラムとして認められるとよい。
・イベントがはじまるまで、また開催期間中も、人が集まって話し合える場所が欲しい。会場近くに点在しているのが理想。外国人アーティストの行き場としても。
・「サロン・ド・トリエンナーレ」(アーティストやアートに興味ある人などが気軽に集えるような場所)といったようなところやそこで繰り広げられることの過程が見どころにもなるし、トリエンナーレ後の継続性にも生きる。
・学生に限らず、ボランティアが地域マネーとして蓄積され、例えばバンカートなどの施設で利用できるとよい。
・シフトを統括し、少しでもボランティア参加できるようにし、多くの人にトリエンナーレに関わってもらいたい。
●その他
・2001年のトリエンナーレでは、誰がトップで権限を持っているのかがわかりづらく、ボランティアスタッフも動きづらかった。せっかくの市民の力が報われない仕組みではダメだ。
・今回のミーティングは、市民ボランティアチームはまことりの主催。本来ならば、こういったことは本展の広報より伝えられなければならないこと。本展広報が機能しないようならば、はまことりが主導を握るような動きをしたらよいのでは?
・情報の統一、共有を。透明性を。情報流通の仕組みを作り上げてほしい。
・2001年の反省が生かせるように、前回ボランティアスタッフより集めたアンケートを公開してほしい。
・今回のミーティングで出された声を、市民の声として財団に届けよう。
■Bグループの報告
○参加者
舞台企画、現代アート好きサラリーマン、横浜トリエンナーレ2001ボランティア参加者、子供デザイン教室、金沢文庫芸術祭運営委員
●街づくりにどう落とし込むか
・横浜市金沢区にある産業団地やゴミ処理場を、工房、レジデンス、作品発表に活用し、プレイイベントとして一般の人にPRする。
・トリエンナーレ後もカフェや交流の場として活用できる場を残す。
・トリエンナーレで創られた作品を横浜に残す。
・前回のトリエンナーレは横浜を知る仕掛けがまったくなく、がっかりした。いろんな作品を建物の中ではなく、野外に設置することでアートとの出会いを仕掛け、会場への導線を作ろう。
・横浜の生活、食文化とイベントをどう絡めていくかが重要なのでは。
● 多様な人をどう巻き込むか
・イベントPRを限られた人にしかできない媒体(HP、新聞、広告など)だけでなく、現代美術をまったく知らない人に対して、一年かけて、現代アート、トリエンナーレのプロモーションが必要である。
案:フリーペーパー(長期間蓄積し資料となるようなもの)、電車(東横線→銀座線→日比谷線とエリア拡大、沿線のカフェ
・作品は街に出ていったほうが面白い。(広州ビエンナーレでは地下鉄の駅、車両、トイレがアート展示スペースになっていた)
・普通のサラリーマンが土日も参加できるものが欲しい。
・高齢者、子ども、障害を持つ人が作品に楽しく触れ、参加、体験できる仕組を加える。これこそ現代アートの面白いところなのでは。
・現代アートを分からないという人を巻き込んで、発見してもらう仕組をつくる。
● 次の会に繋がるように、自分達がやったことに対する評価をシステムとして評価するには
・認知度を深めるため、本展と市民活動の位置づけをはっきりする。
・市民が自分達でやったことにフィードバックする。
●トリエンナーレによって横浜の土地を知り、横浜が出会いの場所となるためには
・イベントの期待感、驚きを仕掛ける
案)マリンタワーに帽子をかぶせる。(4月、5月頃展示予定)会場建設地の入り口にコンテナでのゲートを作る。
・ プロセスをどうオープンにするかを考える。
案)外から見えるミーティングルーム、カフェ、バー、託児所の場を設ける(4月、5月頃OPEN予定)
・仕掛けの場を設ける。
・ トリエンナーレ後、地域のために地域の場となる施設を残せるようにする。
■Cグループの報告
○参加者
音楽家、フリージャーナリスト、アートマネージメント、アトリエ経営、アーティスト、アートライター、イベント企画、学生、芸術文化振興財団職員
●本展の作品において求めることとは何か
・アート作品自体の質。
・作家、作品を選ぶキュレーターと一緒に話し合いたい。
・アーティスト選びの提案を聞き入れてほしい。
●トリエンナーレに市民が主体的に参加するには
・なにより情報の透明化と、双方向可能な情報発信が必要である。また前回のトリエンナーレの報告をネットで簡単に見れるようにしてほしい。
・市民がリードするアイデアを提案し、実行する。提案のやり方、内容などについてしっかり考える。
案)市民で話し合った結果に出た要望など、財団など本展の関係者に確実に伝えてもらい、それに対してのなんらかの答えを確実にもらうようなシステム作り。
・本展に市民の意見が出せるように、今こそ仕組みを作るべき。
・本展の予算の一部を市民の活動に回す。
●横浜市全体で盛り上がるには
・ギャラリーや美術館、ミニシアターなど普段からアート活動をしている団体や人などを中区から枝葉に広がるよう横浜市全体を巻き込む。(積極的に参加してもらうよう、予算もそちらにつける)
・しいては経済の活性化へつながるのでは。
今回にて「どうなる? どうする! 横浜トリエンナーレ2005」の報告を終わらせて頂きます。しかし、これからも「はまことり」の活動報告、呼びかけなど、随時ブログに掲載しますので、是非、こまめにアクセス願います! (ドイ)
by hamatori
| 2004-12-17 01:30
| 2004年12月11日緊急!交流会